木彫十二支 おぐら屋

2023/05/16 17:50

 

 愛嬌のある、そしてどこか懐かしいこけしに見入ってしまいました。それもそのはず、8代目幸治がちょうど100年前に十二支を考案した、その前に作っていた人形だったのです。先日、鳥取のデパートの小物ショップで出会い、あまりにも心惹かれたので、出品された方を訪ねてお話ができ、祖父の作品だと分かりました。

 おぐら屋の十二支は最初、祖父が轆轤で人形を作り、絵付けをされたのが芸術家の渡瀬俊宣(わたせとしのぶ)氏と聞いています。その前から、二人は共同でこけし人形作っており、その一部が岩井温泉に来られるお客様のお土産用として作っていたのです。赤ちゃんをおんぶしている母親、風呂につかっているお客さん、スキー客、浴衣姿のお客等、頭が動くような細工や可愛らしい表情、まさに二人の職人による共同芸術と言える作品だと感じます。

 おぐら屋に展示している「いわい温泉人形」(祖父作)をいつも眺めていたので、懐かしいと感じたのだと分かりました。大切に保管されていたこけし24体を譲っていただきました。100年を超えて出会った宝物として店内に飾っていきます。